2008年5月11日日曜日

殺人事件とチンパンジー

最近女子高生や女子中学生が、無作為に殺されたり襲われる事件が多発している。
若い人、子供が犠牲になる事件は特に気の毒に感じる。自分が15歳くらいの歳に、突然命を奪われたらと思うと…殺された女の子達は、一体なんの為にこの世に生を受けたのだろうって思う。と同時に、自分の人生が、あかの他人の人生の使い捨ての玩具のような存在になると思うと、ハラワタが煮えくり返る思いだ。

何日か前に、ナショジオCHで、チンパンジーの生態についてやっていたのをチラッとみたのだが、人間とチンパンジーの共通点として、同類をただ”殺す”という目的だけで殺してしまう性質があるという。オスのチンパンジーが群れをなして、別の群れを襲い、その群れの子供の頭を食べるというとてもチンパンジーのイメージでは考えられない、凶暴性を持っているのだ。

チンパンジーが、人間のDNAと2%としか違いがないというのは知っている人も多いと思うが、それ故にチンパンジーは、日常の基本的な喜怒哀楽の感情も、人間と同じように感じている。ウサ晴らしや、殺意といった感情もしかりというのだ。

番組では、人間がチンパンジーの住む森を畑に変えてしまった事で、人間との接触が多くなり、結果人を襲うケースが多発していると紹介されていた。幼児を連れてジャガイモを取りに行った母親が、子供を奪われ、頭を食べられたケースを紹介してて、胸が痛くなった。

っていうかチンパンジーと、女子学生殺害事件の犯人とを一緒に考えるの?って言われそうだけど、番組で興味深かったのが、同類を直接の生存競争という理由意外で、故意的に殺すという行為ができる動物は、人間とチンパンジーだけらしい。ということは、生物進化的な観点から言えば、人は誰しも本来残虐な行為ができる感情をもっていることになる。

人は誰でも、あんな残虐な行為は到底考えられないと思うであろうが、そのような感情は、我々人間が生物的進化を辿ってきた過程の中で、備わった(というか備わってしまった)当たり前な感情なんだという。さらに言えば、犯人の精神状態を鑑定する基準にも影響するのでは…。その辺りははっきり分らないけど、つまり誰でも凶悪になる可能性があるという、その認識をもつ事が、結果的にそういうサイコな行為や、集団心理の間違った方向を未然に防止する基礎となるということを教えられた気がする。


どのような理由であれ、無残にも命を絶たれた本人や家族が負った心の傷はは計り知れない。一刻も早く犯人が逮捕されてほしいと思う。

0 件のコメント: