2008年7月10日木曜日

DR.HOUSE S3#7 「目覚めた患者」

植物状態の患者とランチを楽しむハウス。ウィルソンがやってきます。ウィルソンの名前を使ってハウスが勝手に処方した薬について、トリッカー刑事に嘘の証言をした(というかさせられた)と、ウィルソンがハウスに怒りをぶちまけますが、ハウスはどうせで立証できないから大丈夫だとおかまいなし。

そこに植物状態の患者の息子がやってきます。ハウスは彼が以前人を避けられなかったことを見ていたので、視覚性運動盲だとにらんで室の明かりをチカチカさせて彼の反応を見ます。彼は引き攣って床に倒れました。必死で押さえ込むウィルソンに「ステキな家族だな!」とハウス。

息子であるカイルを入院させて検査をするチェイス&キャメロン。母親が死に、父親が植物人間となってからは、後見人の世話になっているとの事。それに彼のバックパックの中身はお酒のボトルがいっぱい。

ハウスによると、植物人間状態の父親ガブリエルは、自宅の家事で妻を助けに戻った後、仮死状態で発見されたとのこと。ハウスは息子については、父親との遺伝的疾患で思い当たるもの全てテストしろと三人に命令。しかし、まもなく彼は肝不全を起こし吐血し意識不明の状態に…。

遺伝性に拘るハウスは、理由を探るために植物人間のガブリエルを一時的に覚醒させるという突飛な行動にでようとします。慌ててカディが制止に来ますが、ハウスは薬を注射。すると彼がむくっと起き上がり、「ステーキが食いたい」と言います。

簡単なチェックをしますが、いたって健康状態な彼にハウスとカディは驚きます。覚えていることを彼に問うと、どうも10年前の火事から記憶が途絶えてしまっている様子。息子が入院し、危険な状態でいることを彼に伝えると、彼は自分の家系にも妻の家系にも、息子が起こしたてんかんを患う者はいなかったと答えます。

父親が息子に感心の持たないことをウィルソンに話すハウス。親子や仲間、友達なら本能的に守ろうとするのは当然だとウィルソンは言いますが、ハウスは何事も条件次第!とあっさり言い捨てます。

トリッター刑事が三人のスタッフを個別に尋問。しかし三人はとりあえずは、防衛線を張って、余計な事を言わないよう口ぶりをあわせて結束します。

ガブリエルは、期限付きで復活した状態で、病室にいるのはもったいないと着替えて出かけようとします。息子のことが心配にはならない様子で、あるイタリアンの店のサンドイッチを食いに行くと言い出します。ハウスはついていく事にしました。

ハウスはまたもやウィルソンに車とお金を借りることに。車をガブリエルが運転する事に仰天し断固反対のウィルソンは、心配のあまり、白衣のまんま自分もついていくことにします。

限られた時間を満喫しようとするガブリエルにハウスはカイルの病気の原因を探るためにあれこれ質問しますが、当てになる情報は得られません。
彼が経営していた工場がボートの製造だったことで、ボートの塗料に含まれる水銀がカイルの原因だと推測、さっそく病院にいるフォアマンに検査をするよう伝えます。
お店を発見できず、ハウス達は街中を彷徨います。質問されるのにウンザリしているガブリエルは、妻の家系に酔っ払いが多いことで、息子もその血を受け継いだんだと打ち明けますが、ウィルソンは彼が息子を嫌う理由がそれではないと分かっていました。苛立ち始めたガブリエルはカジノホテルに行くと言い出します。

その間病院ではどんどんカイルの状況が悪化。酸素飽和度が低下して心拍数が急降下、エピネフリンで何とか凌ぎます。

カジノホテルの部屋で、何とかガブリエルから情報を聞きだそうとするハウスに、ウィルソンが質問します。なぜ部下の名前ではなく、自分の名前を使って薬を処方したのか。それは、自分との友情を試したかったからじゃないのかと。
それに対してお得意の皮肉ジョークで答えるハウスにフォアマンから水銀のせんはシロだと結果報告。ハウスの表情がくもります…。いよいよ迫る状況に追い込まれたハウスはとにかく思い出せるだけのことをガブリエルに話させます。

サンドウィッチのデリバリーが見つかり、ガブリエルはご満悦、飲み物をくれとウィルソンに言って、ウィルソンがソーダの缶を投げますが、ガブリエルはその缶をつかむことができません。植物状態に戻るタイムリミットがガブリエルに迫っていることを悟る二人。

病気のことを告白する交換条件としてガブリエルは、ハウスに、人が嫌いなくせになぜ研究者にならず、人と接する医者を選んだのかと問いかけます。最初は茶化しますが、ウィルソンも興味津々という顔つきで、ハウスは真面目に答えます。

「14の時、父親の仕事で日本に行った。そこで一緒にロッククライミングをしていた友達が落ちて怪我をし、彼を病院へ運んだんだ。
容態の悪化に担当医は困り果てていたので、裏口にいた一人の掃除係の男を呼んだ。掃除係だとばかり思っていたその彼は、実は部落出身の医者だったんだ。
彼は孤独で、周りの環境に溶け込めずにいた。だけど彼は、自分の境遇を変えようとはしていなかった。病院のスタッフも彼を無視していたが、自分はその彼に助けを求めた。彼が正しいと思ったからだ。正しければ、他のどんな事も関係ない。皆が彼に従ったんだ…。」

ハウスは火事の時、何があったのかとガブリエルに問います。火事のとき、息子に暖炉でポップコーンを作らせていて、誤って引火し火事になったんだと答えると、ウィルソンがこの期に及んで妻の死の責任を息子になすりつけるのか?と言います。
ガブリエルは、そうじゃなく火事を防げなかった事、妻を死なせた自分の無力さを思い知らされたんだ、その上息子が死ぬのを見届ける事なんでできるか。よくもこんな時に覚醒させてくれたな!と、火事の事で息子に負い目を感じている本音をぶちまけました。

ハウスは、質問の答えから、妻の家系が酔っ払い家系ではなく、実はミトコンドリア病で、それがカイルにも遺伝していると導き出します。
心臓に疾患があり危険状態のカイルには、もう心臓を移植するしか延命する方法はありません。ガブリエルは息子を助けるため、移植を願い出ます。ハウスは、心臓の生体移植が可能かカディに電話するがカディの答えはもちろんNO。

術がなくなったガブリエルは意を固めます。ハウスは自殺補助で事件沙汰になりかねない為、ウィルソンにその場から外すように言います。そのことでハウスの友情を確かにするウィルソンは、部屋を出て行きます。
心臓の損症をできるだけ抑えるための自殺方法を説明するハウスに、ガブリエルは息子に残す最後の伝言について、君なら何て言って欲しいか?と問います。ハウスは「父親には、自分なら”お前は正しい”そういって欲しい」と答えます。

カジノにいた男にハウスの変装をさせて、ハウスのアリバイを工作するウィルソン。自殺しようとするガブリエルを残して、ハウスも部屋の外に出ます。ウィルソンが部屋に戻って来たとき、部屋の中で「ドン」と鈍い音が聞こえました。

移植が成功し、ハウスに父親の伝言を聞くカイル。ハウスは「お前は正しい」という伝言だったと彼に伝えます。
ウィルソンがATMでお金をおろせません。不思議に思って銀行に電話すると、トリッターが差し押さえたとの事。ついにウィルソンにトリッターの逆襲が及び始めました…。

-感想-

マンネリを感じ始めていたいつものパターンか…と思いきや、最後になって急な展開。最近自分の中で下降気味だったハウスでしたが、ドラマティックな結末に魅入ってしまいました。常識的にはやってはいけない行動ですが、だけど命の重要さが伝わってきたストーリだったと思います。

植物人間から一時的に生還したあの患者さん、「どっかで観たことあるなぁ…」と思いつつ、車での狡猾な口ぶりを観て「あぁそうだ!」と思い出しました。プラクティスで恋人を殺しておきながら、ボビーの弁護を拒否、自分で証人と弁護をした殺人鬼へリック役の人だった。口ぶりが今回の役柄と似ていたので、想い出せなくてウズウズしていました。

ウィルソンがいつもハウスの馬鹿にされて、それでも見捨てない態度にいい加減歯痒かったんですが、今回はさすがにウィルソンが最初から飛ばしてました。車を貸したところは「ん…なんで折れるわけ?」でしたけど、最後でハウスが見せ場を作って、それにウィルソンが答える。友情の深さを証明する内容でした。

助かった息子が…ちょっと可愛かった。OCのセスに似ていたけど、細くてか弱そうなところがなんか魅力的だった…。

執拗刑事トリッターが、ハウスの周りを攻撃し始めました。次は誰が狙われるんだろう…。

それと、ガブリエルへの、記憶している最後の出来事は何かという問いの中で、スターウォーズの新作映画にがっかりさせられたこととか…っていうハウスがすごく可笑しかった。アメリカのドラマってそういうところって結構平気なんですよねぇ。日本の場合、人の悪口はいってはダメ(もちろんのことですけど)っていうのが強すぎて、中傷されたとか何とかでチマチマと結構うるさいから、逆にまともなことしか言わないセリフになって全然おもしろくないんです。
ジョークで笑って済ませられるような そういうおおらかな気持ちもってほしいですね。そうするとセリフの幅が広がるし。

2 件のコメント:

Garoto さんのコメント...

目覚めたお父さんの熱演にも魅せられ、楽しく観ることができました。
でもこれって理想の世界なのかなとも思いました。実際には植物状態の父から心臓を息子に提供したいという願いを聞くこともできず、息子はそのまま死んでしまうんでしょうね。
トリッターのしつこさはグレードアップしてますね。次は何を企んでくるのか楽しみです。

匿名 さんのコメント...

Garotoさんへ
そうですね。注射一本であんな元気になるんなら、ずっと注射しとけばいいじゃん!って思ってしまいます。
Garotoさんの言うような哀しいストーリ展開でも、十分泣ける内容になったと思いますね。

トリッターは他に仕事無いんでしょうか…。