2008年7月12日土曜日

SIX FEET UNDER #61 「一人」


しめやかに行われたネイトの葬儀。

普通のドラマなら悲しみを全面に展開していくところだけど、やはりフィッシャー家という特異な家族柄であって、埋葬まであくまで粛々と行われていました。

ネイトの遺体を見たとき、臓器や角膜の提供で、ほんとに「抜け殻」そのものでした。


自分の祖父母の葬式の時に病院から家に運ばれてきた遺体と同じ風に感じ、さすがにドラマであんなリアルに死を感じた遺体はないっていうくらい、生の気配をいっさい感じさせない遺体でした。


最近までネイトの事は好きでした。

それがブレンダの妊娠した胎児のいざこざあたりから、徐々に嫌いになり、そしてマギーに笑顔であんな死に方をしたネイトの事が、正直腹立たしくて仕方ないです。


なんか物語を無理に終わらせようとして、急に中心にいるネイトを消すことで全体に混乱を招いてから、それでも人生は続く、みんな頑張って行こうみたいな展開なんだろうなって、そういう筋書きの意図を感じて、特別に思っていたドラマだったからちょっと不愉快な気持ちでした。(それでも最期どうなるかは依然期待しています…。)





予想した通り悲しみのどん底のルース。でも可哀想だけど、自業自得としか言い様がないです…。


いつもながら感情を仕舞い込んで兄の葬儀の準備をするデービット。でもなんでまたこんなときに、誘拐犯を登場させる必要があるの? 全然ネイトの死と重なってこなかったんですけど…。S4の最終話で犯人に面会して解決したんと違ったんかい!って。


クレアも完全に脱力、何も手につかない状態でした。でも彼女も可哀想。今は真に心の支えになってくれる人間が周りにいません。ぱっとしないテッドくらいしか…。


それとブレンダ。埋葬でもルースは大泣きするマギーに寄り添って、ここでもまた重要な場面なのにブレンダが蚊帳の外にされていました。それでマヤに八つ当たりする展開、これも全然解せません。子供に当たるブレンダなんか自分の中じゃありえないです。なんでそういう方向にいっちゃうんだろう…。


フェデリコも会社の将来でパニック。だけど一応ちゃんとしていましたし、バネッサがしっかり導いていたのでこの夫婦は心配ないみたいです。






S5は全般的に、どうしてもブレンダの扱われ方が納得できないです。

今シーズンに入ってから、家事に子育てに頑張ってる半面、昔の彼女のスピリチュアルな部分が全然出てこないのにも疑問に思っていました。

最近じゃまるでリサみたいな、ネイトの頭痛の種的な扱われ方。


それにネイトに言いたいです。だいたい文句言う前に、家事の事、マヤの事でブレンダに一度でも感謝したことあるんか!って。




フェデリコやジョージが言うとおり、確かにネイトは人の気持ちを代弁して思いやりの言葉をかけてくれるいい面はありました。

だけどその一方で、自分の状態が悪くなると、全然周りの人間の気持ちが見えなくなって、傷つけてしまったり、自分に合わないものから逃げ出すことしか考えてなかったのも事実だと思います。


自分には、なんとなく今回の突然死も、追い込まれた現実に向き合う勇気がとうしても出ないくて、自分だけ楽になろうとした結果、命を奪われてしまったんだと思えます。


そりゃ、過去に耐え難い試練を受けてきた彼だけど、いつもネイトだけが独り苦しんでいるんじゃないはず。ブレンダとの結婚がもともと合わないと分かってて、その選択の間違いをブレンダだけに押し付けてるのが理解できません。




先週のネイトの手術を待っている時に、ブレンダとデイブが子供について話してました。その時のデイブが、ダレルとアンソニーの兄弟愛が泣かせる。あの子たちには自分達が必要なんだ。っていうセリフがホントにすごく感動しました。


それと同じ感情をどうしてネイトは産まれてくるウィラに持てないんでしょう。ブレンダがネイトに求めていた事は、すごく当たり前だと思うんですけど…。


それなのに、ブレンダの前に現れたネイトの亡霊が口にした、お前は俺の子を妊娠したかっただけだっていうのが、あまりにも無責任で冷酷です。ネイトってあんなひどい男だったんでしょうか?

歩み寄って、またやり直そうとして、集会で独り待ってたブレンダの気持ちにも、ネイトは一切触れていません。





亡霊としてブレンダの前に出てくるのなら、何よりもまず最初に守らなければいけない家族をおいて自分が先立った事、そして、たとえそうなる運命だったにしても、マギーとの過ちに対してブレンダにちゃんと謝るべきでしょう。


死んだもの勝ちの論理みたいなのは間違ってる。ネイトは天国に行く前にたっぷりと後悔して現世を彷徨うベキだと思います。


最期にあんなことしときながら、今後ナサニエルのように平気で登場して来るなんてのは…ちょっと卑怯です。

5 件のコメント:

Garoto さんのコメント...

第1話のナサニエルの死で突如戻ってきたネイト。そのお気軽な生き様が結局そのまま続いて終わってしまったのでしょうか。
家族をもち少しは変わるのかなと思ってたけど。
デイヴィッドを車から引きずり出すルースはさすが母親だと感心し、強がり続けたブレンダがビリーの胸の中で泣き崩れる姿になんだかほっとしました。
子供たちのデイヴィッドへの優しい気遣いが素敵でした。

匿名 さんのコメント...

Garotoさんへ
自分的にネイトはリサが絡んできたあたりから明るかった性格が徐々になくなっていった気がします。リサ失踪→死別が、彼にかなりダメージ食らわしたと思います。

リサとも喧嘩ばっかりでしたからね。ブレンダともそうなったので、逃避したい気持ちも分からないでもないですが…。

ダレル&アンソニーは薬漬けの実母の看病を強いられていたんでしょうね…。

匿名 さんのコメント...

確かにテッドはパッとしません。何となく生きているし、他の人の人生には責任を持たないところがネイトに似ていると思います。クレアとも政治的意見の食い違いから、ほとんど別れそうでしたものね。たまたま、クレアが弱っている時に、そばにいた人って感じです。

ブレンダは家族を持って、より良い家庭を築こうとすると、スピリチャルな部分が消えちゃったんでしょうか。あんまり変わった母親は嫌ですし。社会不適合から適合者へと変わっていったんでしょうね。

匿名 さんのコメント...

mcglowさんの記事を読んで
「そういえばそうだな…」と。
私はもう、毎回訪れる重い話に滅入ってしまい、
ただひたすら見守るしかなくて。
このドラマって、ある程度キャラを把握した
つもりでも、常に裏切られる展開になるというか…。
それがある意味面白かったりするんですけどね。
ファイナルに向けて、目が離せません!

匿名 さんのコメント...

>夢野さんへ
テッドぐらいしかいない…っていっちゃったけど、クレアとドライブ中に語った彼の姉に対する感情で、テッドも単に保守思想に洗脳されてる人間じゃないんだなって…ちょっと安心しました。

クレアにとっては今までにないタイプ(自分からブッ壊れていきそうにない)だから、思想は違えど案外マッチするかも…って今は思ってます。

>suubiさんへ
確かにこのドラマって、悲愴ですよね…それもストレートに哀しいというんじゃなくて、歪んでるというか…。
これを作ったプロデューサ陣は一体どんな人生経験をしてきたの?って思えるくらい。

あと二話でどんな風に展開していくんでしょうか…気になりますね。