2008年7月26日土曜日

SIX FEET UNDER 最終回 「未来」


ブレンダはルースの付き添う中で、早産でしたがウィラを出産。ウィラは保育器に入れられ、ウィラに会えないブレンダはウィラについて悪い事しか言わないネイトの亡霊に悩まされます。しかし未熟児で産まれはしたものの、ウィラは順調に成長。

マーガレットがフィッシャー家にマヤを引き取りに来たため、ルースはいよいよ独りに。孤独と喪失感でルースは全く活力を失ってしまいます。

キースの忠告に従って、デービットは家を出て実家に帰ってきます。
キッチンの冷蔵庫の隙間にマヤが好きだったサルのぬいぐるみを見つけて大泣きするルース。デービットもクレアもルースの心の状態を心配しますが、どうすることもできません。
職もないクレアにはこの先何をしていいのか決められずにいました。クレアを励ましてくれるテッドとはそれなりに続いているようでしたが、まもなく誰の推薦かはわからないが、NYのフォトスタジオのアシスタントの募集の連絡がきます。

ウィラの退院祝いでブレンダの家を訪ねるクレア、テッド、ルース。クレアは久しぶりにビリーと再会。躊躇っていたルースもマヤにサルのぬいぐるみを渡したものの、マヤがチェノウィス家になじんでいく姿が耐えられません。
そのブレンダの家で、クレアはオリビエが仕事の推薦をしてくれたことを知り、クレアは感謝します。

ネイトが死んだことで、葬儀会館の株主、デービット、フェデリコ、ブレンダは、経営をどうするか、話し合います。
フェデリコは独立を考えているために、株を売却し、独立の資金を得たいのですが、一旦売却を考えたデービットは、やはり家業は捨てられないと、考え直します。フェデリコは資金調達ができなくなり、怒り出しますが、キースが貯金をはたいてフェデリコの株を買い、フィッシャー家に家族で引っ越すことを提案。

クレアには幸いにも就職決定の話がきますが、ルースが心配でNYの仕事を断ってここに残ると言い出しますが、ルースはそれは絶対許さないと、家を出て仕事にいくように説得します。

送迎会の前の日、クレアには就職先が買収されて内定取り消しの電話がきます。クレアはがっかりしますが、ネイトが出てきてそれでもNYに向かうべきとクレアに言い聞かせます。

翌日、ルースとデービット、キース達に別れを告げるクレア。
おNEWのECOカー(プリウス)に乗って旅立っていきました…。


-感想-

…いいラストでした。
クレアが最後をしめたのがよかった。
ルースは一旦は喪失感で動けない状態だったけど、最終的にウィラとマヤを生きがいにして、ブレンダや、サラ達、ジョージとうまく付き合っていく術を得ました。
ブレンダもルースとうまくやっていくことで、ネイトがいい旦那に変わっていましたね。
デービットもキースのバックアップが泣けました。まさかキースがフィッシャー家にとは思ってなかったし。

最後のシーン、未来の回想?がよかった。siaのbreath meが泣ける…。
デービットとキースが結婚したときの客席に番組EXプロデューサのアランプールを発見しました。クレアはやっぱテッドと一緒になるんですね。

SFUが終わって、すごく寂しくなります。自分はGAY&次男なので、デービットと自分を重ね合わせてみていました。正直かなり感情移入して観ていました。
ダレルとアンソニーのような子供と、頼りになるキースのような旦那がいるデービットはほんとに理想です。しかも、GAYって基本的に家族の事、伝統とか家業とかに興味なく、軽視しがち。なのに、それを大切に思える彼がすごいと思いました。最近のGAYにはこういう価値観を分かって欲しいと思っています。

このドラマを振り返ると、全体的な内容は悲劇的だし不幸の連続でした。しかし、そんな絶望的な状況で、家族の根底にある絶対的な親子愛、兄弟愛はフィッシャー家にはちゃんと存在してたし、それが傷ついた関係や、ダメになりかけた人間を修復するもとになってるんだなって感じました。

今の現実の社会では、一見問題なさそうな家族であっても、兄弟や親子で、かっとなってナイフで刺したり、バットで殴ったりする事件がある中、本来、自分の家族や、自分自身を支えるというか、救うことができるものって、いったいどういうものなんだろうと考えさせられました。
自分の知らなかった様々な人間の感情を疑似体験できたし、今まで大切なものだとは思っていたものの、あまり意識しなかった兄弟や親、自分の育った環境について目を向けるようになりました。

話を展開していくと、仕事とか勉強とか、そういうものは自分の理想に向かって自力で努力・忍耐することが大事なんだけど、本来は、家族とか育った環境のような、努力や忍耐とはまた別の、自分の人生に与えられたものの中にも、大切にすべき価値があるものが多いという事に気づかされた感じがします。

それに、「死」」を意識することで人生を意義あるものにするという感覚。今までは歳をとればそうなるだろうっていうか、全然そういう実感がわかなかったけど…

自分にとって人生の価値観を見直す機会を与えてくれた良いドラマでした。

8 件のコメント:

Garoto さんのコメント...

終わっちゃいましたね。
5シーズン、じっくり楽しませてもらいました。フィッシャー家やチェノウィス家の人たちがとても身近に感じられました。
どんなファイナルを用意しているのか気になっていたら、みんなの将来、そして死のときまで教えてくれるとは。みなさん意外に長生きするので驚きました。
デイヴィッドとキースの結婚式、もっと観ていたかった・・・

匿名 さんのコメント...

>Garotoさんへ
終わってしまいました。
冒頭ウィラのいつもの死人の掲示が出たときビビリましたけど、2005-?でよかったです。

最近カリフォルニア州でも同性婚が認められたから、デービット&キースの話はリアルでした。

クレア102歳でしたよね。将来は医療の発達でみな長寿になるんじゃないんでしょうか…。
キースが61歳で現金の警備の仕事していたとは…しかも射殺されるだなんて、未来にもかなりツライ現実がまっているんですね。

匿名 さんのコメント...

そうそうクレアはプリウス買ってましたね。マクナマラ先生と同じチョイスです。お金持ちだなーと思いました。

なるほど今ある環境の中にも大切にすべきものがあるんですよね。うちはフィッシャー家みたいに集まったりしないし、クレアみたいに兄さんたちと仲良くないですし、随分違うんですけど。これから先もあえて兄と話すことも今さら無いと思うんですが、困った時は助け合いたいと思います。

mcglowさんがGAYということにビックリしちゃったんですが。私から見てもキースとその子供たちという家族は憧れます。どんなダメになっても見捨てない、ドーンと構えてくれる旦那さまなんていいですね。これが夫婦なんだなと思いました。子供たちも良い子ですしね。

匿名 さんのコメント...

>夢野さんへ
GAY(男性同士)の子育って、未開の領域なので、すごく興味を持てました。映画「トーチソングトリロジー」や、QUEER AS FOLKでもありましたけど、育ててる子供もGAYだったので、ダレル&アンソニーのようなストレートの子供たちを、親になって育てていく感覚ってすごく新鮮でした。

親子喧嘩中に「オカマ野郎!」とか罵りあいはあったけど、あの兄弟が基本的にGAYを嫌ってなかったところがちょっと「理想」だなって思ってしまいます。現状ならまず両親がGAYだって受け入れるハードルってあるように思えるんですが。

匿名 さんのコメント...

良い最後でしたね。
どこまでも裏切ってくれるドラマでした。
実は私、最初はすんごく重すぎて、イヤなドラマだったんです。
毎回「長いな~」なんて。
でも、すぐにハマっちゃいましたね。
ハマってしまった自分が好きになってしまうような、
そんな感じ(笑)

mcglowさんはゲイなんですね。
デイヴィッドとキースの関係、素敵でしたよね~。
あの俳優さん達の演技力もかなりのものだと思いました。
mcglowさんは、素敵なパートナーはいらっしゃるんですか?

匿名 さんのコメント...

>Suubiさんへ
僕はもう10年以上お付き合いしたことがないんです…。あまり活発にゲイ活動をしてなくて…。

ゲイって見てくれが一番重要なんですよね。
自分は自信がないのでいつもひいてしまいます。引っ込み思案な性格も悪いんですが、今のゲイは体型、容姿にこだわりすぎてて、人として相手を思うことができてない人が多すぎる気がします。中にはホントにいい人もいるんですけど。

このドラマで、そういうゲイ達にキースとデービットの価値観に触れて欲しいと思いました。

たとえゲイに産まれても、家族とか子供たちの教育とか、それ以外にも社会全般に関っていく事って絶対大切だと思うんです。

Unknown さんのコメント...

mcglowさん初めまして。
SFU本放送終わって、アンコールも終わって、今は放心状態です。何度か覗きに来ましたが、書き込ませて頂きたくなりました。
ちょっと長々と書いてしまいそうで・・・スミマセン。m(__)m

本当に良いドラマでしたねぇ。(@_@)

特に最終回のデビットの死に際にキースが出て来る所は何度見ても涙が出ます。(ケイタイにYou Tubeから最終回のラストシーンを落とし、いつも動画を持ち歩いて見ています。)
こんな風に愛する人が今際の際に一番輝いていた時代の姿で迎えに来てくれるなら、死ぬことも怖くないというか、良いなぁーって思うのです。
このドラマは特にデビットとキースが純粋で良かったですね。(^v^)

最近SDTVのサイトにお悔やみ文が上がり、SFUの皆さんの最後の時にどんな生活をしていたか?少し推し量れるようになりましたね。心憎い演出ですね。(^o^)丿

あ~~、まだまだ何度もアンコールでSFUを見たいです。これほど、人間の本質を考えさせられるドラマは有りませんでした。

これ以上のめり込めるドラマが見当たらなくて淋しいです。(/_;)

mcglowさん、これ以上に良いドラマご存知でしたら教えて下さいませ。m(__)m

匿名 さんのコメント...

>Youさんへ
初コメ感激です。どうぞヨロシクお願いします&返事が遅くなってごめんなさい。

僕もYouさんと同様、最終回が終わって自分の中で一区切りついた感があり、最近はドラマチェックもサボり気味になってしまいました。

このドラマは、「観てる者の生き方を変える」かつて類の無いドラマだったと確信しています。
人は自分や他人の行動や感情に対して、何かしら理由を求めてしまうけど、このドラマではもっと無意識の部分、例えば突然悲しくなって泣いたり、逆に高揚したり…時によって不幸を感じたり幸せだったりする人の心の中、「何でなのか意味理由がわからない。だけどそう感じてしまう」という部分を多く表現していたと思うんです。
他人には表現しにくい、伝えにくい感情をこのドラマを見て多く共感できた、だから余計に終わってしまうのが哀しかったんだと思っています。

それと自分がGAYなのでデイブとキースのカップルはいつも興味深く見ていました。
最初のころのデービットを観ていると、子供を愛する意味、家族の本質が分かる人間になるとは思えませんでしたが、シーズン3、4ファイナルになるにつれて、すごく大人に成長したと思います。
特にネイトが運ばれた際に自販機の前で、ブレンダと子供についての話をしてた時、この子たちには僕らが必要なんだといった言葉には涙がでました。

若いキースがデービットを見つめるラストのシーンは好きな人が多いみたいですね。自分が好きなシーンは、やっぱりフィッシャー家の兄弟愛がにじみ出てるシーンです。

シーズン3で失踪したリサをモーテルで待つネイトのもとに、デイブとクレアが駆けつけたシーンや、シーズン4でカージャックに遭遇した後、仕事中にパニック症候群に陥ったデイブをみてクレアがネイトに家業に戻るように説得し、ネイトがそれに応じたシーンなどです。

シーズン4のラストも好きです。雨の朝にバルコニーを見ながらデイブがナサニエルの肩に寄り添うシーン。

僕もこれ以上のめりこんだ海外ドラマは過去にないし、これからもないだろうって思っています。だから、これと同じくらいのめりこめるドラマがあったら逆に教えていただきたいです。

ちなみに、とりあえずヒューマン系のドラマは一応はチェック入れてます。

いまのところ11月から始まるブラザー&シスター2(AXN:ブレンダ役のレイチェルグリフィスが出てる)、ネイト役のピータクラウス主演のダーティセックスマネー(スパドラ)はちょっと期待しています。